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最高裁判所第三小法廷 昭和35年(し)1号 決定 1960年2月09日

主文

本件特別抗告を棄却する。

理由

特別抗告について刑訴四三四条により準用される同四二三条一項の規定によれば、特別抗告をするにはその申立書を原裁判所(本件においては大阪高等裁判所)に差し出さなければならないことが明らかである。そして同四三三条二項の規定によれば、特別抗告の提起期間は五日である。ところが、本件記録によれば、原決定が申立人に送達されたのは、昭和三四年一二月三日である。従って、申立人は同日から五日の期間内即ち同月八日までの間に本件特別抗告申立書を大阪高等裁判所に差し出さなければならなかったのである。しかるに、記録によれば申立人は本件特別抗告申立書を直接最高裁判所に差し出した(最高裁判所に到達したのは同月八日)のであるのみならず、その申立書は直ぐ大阪高等裁判所に回送されたけれども、同裁判所に到達したのは同月九日であって法定の期間経過後であることが明白である。

よって本件特別抗告の申立は不適法であるから、刑訴四三四条、四二六条一項により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島 保 裁判官 垂水克己 裁判官 高橋 潔 裁判官 石坂修一)

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